リカバリーができない

投稿者: | 2008年9月20日

システムが不安定になった時や、HDDが壊れてしまったときに行うリカバリー作業。
この作業ができなくなっているパソコンが時々あります。

通常はリカバリーCDをCDドライブにいれて、電源をいれCDからブートします。
するとリカバリー作業が開始できるのですが、この段階でエラーが発生して作業が進まないのです。
この原因の多くはDMIと言われる仕組みにあります。

DMIとはマザーボードに取り付けてある記憶域にパソコン本体の情報(メーカーや型式など)が記憶されている情報を言います。
リカバリープログラムはこのDMIを参照して、パソコンの機種とリカバリープログラムに整合性があるかを確認します。
メーカーや機種が異なるパソコンでリカバリープログラムを走らせるのを防ぐためです。

しかし、時々このDMIの情報が消えてしまっていて、正しい機種にリカバリープログラムを走らせているのに、エラーでリカバリーができない事があります。
(DMIを書き換えるツールもあるのですが、失敗すると本当にどうしようもなくなるのでここでは紹介しません)

今回、弊社にそのようなパソコンの修理依頼が来ました。
依頼内容は「パソコンが起動しなくなったので見てほしい」という内容。
動作チェックをしてみると、どうやら原因はハードディスクにあるようです。
ひとまず、OSのCDから起動してチェックディスクをかけてみると正常に起動するようになりました。
この状態で使用することもできるのですが、再発する恐れもあるのでお客様に確認をとります。
すると「不安なので交換してほしい」との事。

さっそく部品を準備し、リカバリーCDを作成します。
リカバリーCDの作成をするのは、ハードディスクを交換するためです。
今回預かったパソコンはリカバリープログラムがハードディスクに保存されているタイプなので、専用のプログラムをつかってリカバリープログラムをCDに保存します。
それからハードディスクを交換してリカバリーCDから起動します。

ところが途中でエラーで終了してしまいました。
画面を見るとDMIエラー。
再起動をかけ、BIOSをチェックしてみるとSerialNoがffffffffとなっています。
Crystal BIOSというソフトを使って詳細に確認してみますが、やはり消えてしまってるようです。

このままではハードディスク交換ができません。
しかたがないので、別の方法を取ることにします。
その方法とは「ドライブコピー」です。
幸い今回はチェックディスクで起動するようになっているので、このドライブの内容をまるまる別のドライブにコピーしてしまいます。
これをやると、インストールしていたプログラムやデータなどもそのまま戻るので再セットアップ等の作業がいりません。

そこで利用するソフトがAcronis True Imageというソフトです。

このソフトをインストールしたパソコンにコピーの元になるドライブとコピー先になるドライブを取り付けます。
あとはTrue Imageを起動してコピー先とコピー元を指定してあげるだけでドライブのコピーが完成します。
このソフトにはファイル単位でのバックアップやスケジューリング機能もついているので非常に便利です。

困ったことが起きる前に、セットアップが完了した状態でこのソフトを使って予備のシステムドライブを作っておくといざと言うときにあわてないです済みますよ。